ICFP Programming Contest が本当に縛っていたもの
以前,ここ数年のICFP Programming Contestについて思っていることについてのツイート(群の一部)が, Rustが最強のプログラミング言語である証明 — hayato.io で取り上げらたため, @chokudai さんに届いて反応してくれたようでうれしい.一連の氏のツイートをRTした後,思わず,
ニッコリ
— Noriyuki OHKAWA (@notogawa) 2017年9月1日
一点,ツイッターだと前後の文脈ザックリ落ちることがあるから仕方ないんだけど,正しく伝わってるのか気になったのが,「縛り」の本質について,
そもそも「言語を一つに統一する縛りプレイ」みたいなこと言う人いるけど、各会社さんのプロダクトで使用言語を統一してるものはいくらでもあるわけで。何?そういうの縛りプレイだと思ってるの?と思うし、「超多言語開発でも3日間で形に出来る」ってのを知らしめるのは十分面白いと思うのだけど。
— chokudai(高橋 直大) (@chokudai) 2017年9月1日
あいつは参加するけど推し言語が違うから組めないんだよなーみたいなのがあって自然とチーム人数も絞られてた節もあったと思うんだよね
— Noriyuki OHKAWA (@notogawa) 2017年8月4日
取り上げられたツイートの直後のこのツイートからもわかるように,同僚という固定メンバーとやることが決まってるオシゴトとは異なりチーム組みからできるコンテストでも,推し言語の差を強い制約と認識した場合「いくら強いことがわかってても宗教が違うため組めない奴が出てくる」ことこそがこのコンテストにおける重要な「縛り」であり,何も「言語を一つしか使わないこと」が「縛り」の本質ではないと思っている.
これは,このときの流れの中で @mametter さんとのやりとりでも,
その批判に対しては,選択された1,2言語だけ認定していた時なら「言語が良いからこそ優秀なプログラマを魅了し引き付けたんだ」という反論があったんですが,5~6言語も最強言語に連ねることを許してしまったので反論が使えなくなってしまい,今は正に批判の通りになってると思います.
— Noriyuki OHKAWA (@notogawa) 2017年8月6日
とにかく強い奴で集めたから強いぜ!ということだったら本当にナンデモアリな他のコンテストだろうがそれこそオシゴト・現実世界でもみんなわかっている.
勝ちに行くのもコンテストに参加する上であたりまえのことだし,ルールが何かこの点について縛ってるわけではないのでナンデモアリなコンテストと形式は同じなんだけど,折角 ICFP Programming Contest なら「組めない奴が出てくる」という特徴を愉しめばいいんじゃないかなというのが私見.
まぁ,
残念感はわかるんだけど、むしろ単一の最強言語認定という考え方のほうが現代のプログラミングに即していない、という意見が去年の運営チームで出てたなあ。
— Yusuke Endoh (@mametter) 2017年8月6日
という話もあるので, ICFP Programming Contest も他のコンテストと今はもう何も変わらないのかもしれない.たぶん似たようなことを感じてるのは他にも @shinh さんとかくらいなのかな.
これつまりウナギ批判だと思っていて(他にもあるならすまんすけど)、 https://t.co/VSuSYWkPdv ホントここで書いてたソロ殴りあいやってほしいんだよなあ https://t.co/htHLHiwV8j
— shinichiro hamaji (@shinh) 2017年8月4日
いずれにせよおっさんばかり…なの…では?「組めない奴が出てくる」と思ってたのも思い込みだったのかもしれない.最初から ICFP Programming Contest は言語なんてどうでもよかったのかもしれない.
もちろん禁止ではないわけだし、なんでもあり勢に縛りプレイで勝つってのが最高カッコイイって面もあるから別にどうでもいいんだけど
— Noriyuki OHKAWA (@notogawa) 2017年8月4日
というわけで結論としては最終的にどうでもいい話であるという所に落ち着く.
ただ, @chokudai さんは自らもコンテスト(サイト)を運営する者として,他のコンテスト(だけじゃなく何らかのコミュニティや文化に)乗り込む場合,勝ちだけじゃなくて「それは何を目的にして開催されているのか」についてのこだわりに対し,単に強さを振り回し彼のツイートにある言葉を借りるならば「水差す」ことがないよう多少思いを巡らせて欲しいかなと思う部分もある.自分は彼のつよいぜドヤァみたいなツイートも好きだし実際それ以上につよい.単なる勝ちだけにこだわらず,そういった部分もリスペクトした上でなお勝つ力が彼には十分あると思っている.
一方,彼の場合コンテストで身を立てるのもオシゴトな部分がある.みんながプライベートとして参加するコンテストであっても彼にとっては宣伝・広報を含んだ商業的な意味をメインではないにしろ持たざるを得ないし,周囲もそう捉えると考えるのが自然だろう.彼の事業性質上は強いメンバー集めて勝ってブランディング・アピールするというのはメンバーを集める上でも効果があり正着だ.彼自身がコンテスト強くて成功するモデルケースにならなければならないのだから.だとしたら舐めプにも見えるような甘いムーブをオーディエンスに見せるわけにもいかないだろうし,ましてやそれで負けるのもマイナスではないにしろ機械損失的なものはあるかもしれない.このあたりの立場を考慮すると単にコンテストに参加するだけにしても他の参加者にはない期待を背負っているしリスクを取っている部分があり大変だろうなぁと勝手に心配している.
これからも体に気を付けてがんばって頂きたい.